我々の日常生活の中での対人コミュニケーションで,非言語情報は重要な役割を果たしている.非言語情報は非常に多岐に及ぶが,その中でも,顔表情などに比べて,姿勢や身体動作の役割はあまり注目されて来なかった.これは,顔の表情に関する研究の中で頻繁に利用されているような客観的で汎用的な分析単位が確立されていない点によるところが大きい.そこで,感情を表出する身体動作の分析単位として「動作ユニット」を定義し,さらにそのAI 化がもたらす未来の豊かな遠隔コミュニケーションへの展開について,研究を進めている.
動作ユニットAIによって,例えば,人の身体動作から感情を推定し,それを基に動作をコード化して伝送し,遠隔地でデコードして取り出した動作をアバタに施せば,通信路に負担をかけることなく,通信環境の変化にロバストに,感情豊かな動作をアバタにさせることができ,豊かな遠隔コミュニケーションを実現することができる.
テーマ
人の身体動作から感情を読み取る「動作ユニットAI」構築の研究
主な研究成果・対外発表
- 北村 喜文,藤原 健,幸村 琢: 人の身体動作からの感情推定とキャラクタの感情豊かな動作生成 — 人間性豊かな遠隔コミュニケーションの実現に向けて, センサイト, 2023年1月号
- 藤原 健,程 苗,曽 加蕙,北村 喜文: 身体動作から感情を読み取る — 動作ユニットAIの構築に向けて—, 情報処理学会誌,Vol. 64, No. 2, February 2023.
Results in Japanese are described in Japanese.