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狭い机上の描画で無限の大きさを持つバーチャルキャンバスに大きな文字や絵を描くことができるVR技術

バーチャル空間内の限られた範囲の2次元平面に描画,書き込み,ペイントを行うと,無限の大きさを持つバーチャルキャンバスに大きな文字や絵を描くことが可能になります.我々は,バーチャル空間内での利用者の描画動作に視覚的な操作を適用し,描画体験に必要な知覚される表面のサイズを拡大する新しい手法「Redirected Drawing (リダイレクテッド・ドローイング)」を提案しました.この目的を達成するために,本研究では特に「トランスレーションゲイン操作」を調査しました.これは,現実空間における描画ストロークの変位を単純にゲインで乗算し,バーチャル空間で表現するというものです.その結果,物理的な平面へのペンによる描画では,利用者に気づかれることなく最大1.16倍の拡大が可能であることが分かりました.これは,物理的な表面や空中での指による描画よりも,バーチャルキャンバスのサイズ拡大に適しています.

本研究は2025年3月にフランスのサンマロで開催されたバーチャルリアリティのトップコンファレンス IEEE Virtual Reality and 3D User Interfaces に論文が採択され,口頭発表しました.